北海道道東の北見市に近い訓子府町の株式会社菅野養蜂場は、北海道で戦前から四代にわたり養蜂を営んでいます。自称「ハチ屋」の菅野裕隆取締役は、自然との共生や蜂の働きの重要を伝えようと、地元の留辺蘂高校(るべしべ)での養蜂授業を行っています。
2023年6月
今年の授業が6月から始まり、IVRY-Bの養蜂箱の組立で、今年の授業がスタートしました。
目指すは、2023年11月のミツバチサミット(つくば市)での発表です。
6年前、札幌市にある大通高等学校のミツバチプロジェクトをみた理科の鈴木茂智先生が、北海道・オホーツクの訓子府町や留辺蘂町は森林面積が多く、蜂にとって最適な環境に恵まれていると始めた養蜂の授業。
ミツバチは自然環境の変化を人の眼に見える形で伝えてくれる「環境指標生物」とも呼ばれる生き物です。
これからIVRY-Bの養蜂箱で北の大地での蜂の働きを観察します。
2023年7月7日
7月7日は2時間の養蜂授業です。
1時間目は、IVRY-Bの養蜂箱に初めて蜂を移す授業です。
新しい養蜂箱にどうやって蜂を移すのか、蜂は「群れを維持すること」が行動の基本と教わりながら、実践することに。
初めて体験する新たしい箱に蜂の引越し。交代でテクニックを教わりました。
2時間目は、蜂の様子や蜂箱の内部を点検をする「内検」の要点についての授業です。
授業には、<くんねっぷ養蜂家 菅野さんの1年>の連載で密着取材中の北海道新聞の記者も参加。
授業を受けた元木匡則(もときまさのり)さんは「貴重な体験をしているので、伝えて残していきたいです。」、杉澤快流(すぎさわかいり)さんは「日本で初めて実践する養蜂箱と聞いて、ワクワクしています。」、十亀奏楽(そがめかなた)さんも「イスラエルの養蜂箱で蜂がどう動くのか興味津々です。」と感想を伝えていました。
2023年7月20日
今日の授業は、イスラエルのIVRY-Bの開発者でCEOのユバール・イブリ―(Yuval Ivry)さんとのリモート会議での交流でした。
英語でのビデオ会議で少し緊張して、簡単な自己紹介から始まりました。
ユバールさんから「四角い伝統的な養蜂箱と世界時初めての丸い養蜂箱の違いをどう思うか」と感想を聞かれ、蜂は巣礎以外の空いているところにも丸く巣を作ったと報告。自然の蜂の巣は上か水が落ちてできる水滴のように丸い形は自然なのだとの説明に納得。
「2週間たってどうなった?」との問いかけには、7月7日には4枚だった巣板が8枚に増え、既に卵を産み始めているようだとの進捗にユバールさんもそれは嬉しいと。
「どれくらいの蜂蜜が取れるのですか?」との質問に、ユバールさんはこの養蜂箱は蜂蜜を採るよりも観察や共生を目的としているので量は多くないが、年に6~10Kgは取れていると説明。
留辺蘂の冬は最低気温‐30℃、積雪2mになり、冬の対策が必要との課題では、「イスラエルも北では冬は雪となる所があるが、そもそも人間もその寒さでは生きていけない。アラスカやカナダでは3ヶ月ほど間特別な環境を用意してそこで越冬する。」日本ではどうしている?との問いかけに、北海道の養蜂家は南の暖地に移動して養蜂しているので、冬の対策に移動するか、特別な部屋を用意するなど、検討することになりました。
ユバールさんは、イスラエルのTVでも紹介され、最新の動画があるのでウェブサイトを見てほしい、いずれ日本に行きたいとの言葉に、生徒たちから”Please come on”と即答。今度は、養蜂箱を前にビデオ会議をしようということになりました。
11月19日
茨城県つくば国際会議場で開催の「BEE SUMMIT2023」の全国養蜂サミットに参加、成果発表を行いました。留辺蘂、札幌の北海道から九州まで、18の大学・高校・中学が参加。
「ショート動画部門」では最優秀賞を、14校が参加した「はちみつ品評の部」では3位の入賞を果たしました。